戯言

2011年09月

旅の初日はAucklandを経由してNaiper(ネイピア)へ。モーテルの主人が小さな空港まで迎えに来てくれた。Napier は大きな地震で街が潰れ、再興するときにアールデコ調の美しい街並みを作ったんだそうだが、街中のホテルは軒並み満室で空港にほど近いモーテルしか取れなかった。

Napier に行ったのは当然試合を観るためなので、少し買い物をしてからタクシーを呼んで貰い、McLean Park を目指す。モーテルの主人に今夜の天候はどう?と聞いたら「りるれいん」ということだったので、一応登山用カッパを持って行く。オーバーパンツと靴のカバーの装備も旅行の荷物に入れて行ったけど、そこまでは要らないだろう。トップリーグの観戦なら「雨ならやめっか」といくところだが、RWCとなればそうも行かない。

暫く走ると運ちゃんが「今日はタクシーはここまでしか入れない。あいつらについていけばスタジアムだよ」と言うので支払って降りる。歩くと向こうに四角いスタジアムが。いいよね、四角いの。日本は何かと陸上トラックとかで丸いから。

観るのはフランス-カナダということで、陽気なフランス人が多い。後、奴等結構タバコ吸うのな。勘弁してよ。
ゲートはタクシーを降りた場所からちょうど対角線上ということでぐるっとスタジアムを回る。スタジアム近辺は何も無いただの住宅地だ。その中に煌々と輝くスタジアムがある感じ。ゲートに着くと列が出来ていて、フランス人がラ・マルセイエーズを歌ったりしている。持ち物チェックで並んでるんだな。と、ほどなくポツリと雨が来た。やっぱ少し降るってのは本当なのね。

なんて思ってたらゲート入る頃には、

土砂降りとか聞いてないし。入場して席を確認したらすんごいいい席なんだけど、いい席すぎて(前から10列目ぐらい?)屋根が丁度かかってないの。仕方が無いからスタンドの下でハイネケン飲んで雨宿り。試合開始までには上がるかな、なんてボーッとしてたらいきなり国歌がかかって慌てて階段を上がったらまだ土砂降りだった。

仕方が無いのでカッパ被ってグッズ屋でもらった袋を膝に掛けて靴を濡れないように引っ込めて着席。スタメン分からんかったなぁ。

国歌終わって散る両チーム。先ほどトラックが無いと書いたけど、このスタジアムはクリケットでも使うそうなので芝生部分が多いそうだ。テレビでクリケット観たけどカケラもルールがわからんかった。オージーフットボールは何となく分かった。

数少ない得点時に盛り上がるカナダサポ。カナダの応援は「go Canada!」ぐらいで単調なんだけど、フランスは歌歌ったり、「ニッポン!」みたいな感じの謎の掛け声掛けたりして大盛り上がりでした。

後半からは雨も上がったけど随分気温が下がって鼻が冷たくなるぐらい。春先のナイターだもんなぁ。
McLean Park は上の写真の側のゴール裏が片側芝生席になっていてスタンドが無い。収容は1万人ほどのコンパクトなスタジアム。何か富山県総合運動公園とかそういう感じでした。でも芝生綺麗。

試合後の選手と観客の距離が本当に近くて、この日の Man of the Match のピカモールさんもやってきてファン数人にサラサラっとサインをしてたり。

この後ガードマンに「タクシーどこで拾える?」って聞いたら「まぁ無理だろうね」と。そうですよねー。
仕方が無いので1時間歩いて帰ったんだけど、雨が嘘のように快晴になっていて、街が真っ暗なのですんごい星が見える。見えるんだけど、全然知らない星の配列なんで何が何だか全く分からず。せめて南十字星の場所だけでも知りたかった。

んなわけで1つめの試合観戦は終了。序盤少し押し込まれていたフランスは不安が残るなぁ、と思ったのでした。

ドライヤーの温度が妙に高い気がして。ついでに、少しカラカラという異音が混じってるような気もする。
いきなり火を噴いたりしたらドリフのコントみたいになるのかなー、やだなー、と思いながら1週間ほど使ってたけど精神衛生上良くないので買い換えようと心に決めた。

そもそも引っ越しする前から使ってたので6年か7年になるんだろうなぁ。その前は適当なの買ってたんだけど、少し真面目なの(?)を買ったら非常によく乾くし使い勝手が良くなったのを覚えている。
その時に買ったのがパナソニックだったので(当時はナショナル?)、今回もそうしてみた。でもナノイーとかで高くてでかい奴は要らないので、松竹梅の竹ぐらいの奴。

届いたので使ってみたら、これまた驚きの乾燥具合ですな。こんな電気で空気暖めて吹き出すだけの機械がどうやって発達するのか良く分からないんだけど、流体力学とかそれ関係なんだろうか?
それとも使ってる内に徐々に劣化して新品を買うと、当初と同じぐらいの性能なのに「すげぇ!」って単純に驚いてるだけで、やっぱメカ的には進歩してないんだろうか?

どうも後者な気がしてきたけど、まぁ快適に暮らせればそれでいいのです。

今回のNZ行きは急に決まった。急と言っても5末なので3ヶ月前ぐらいだけど。

友人の友人のNZ人の叔父さんが ex-All Blacks で今も協会にいるからRWCのチケット手に入るよ、と急に言われ。後で聞いたらどうも叔父さんってのは Brian Lochore って人だったっぽいのだけど、流石に知らない。最終日に会わせてあげよう、って言われてたけど、ちょうど NZ-FRA の日で昼過ぎからBBCのインタビューとか入っちゃって会うことは出来なかった。Legend らしい。

で、ちょうど9月に3連休が2つあるからそこで行こうと思ってエアを手配しようとしたら残席僅か。何とか抑えて宿もかなり高いけど何とか抑えて、それで行ってきたのです。ちなみにRWCのチケットは席さえ選ばなければ、NZ-FRA と Final 以外はまだ空きがあった。JPN-TON も見に行こうかと思ったんだけど、さすがに移動が多すぎるのとファンガレイでの宿が無かったので断念。結論から言うと試合がショボ過ぎて見に行かなくて良かったんだけど。

今回のNZ開催で指摘されていたのは、この宿の問題で、立派なスタジアムはあれどホテルの収容人数が少ないので興行的にはダメだと(行きたい観客が行けない=チャンスロス)。なので、もうNZで単独開催は無いんじゃないかと言われていて、行うとすればAUSと共同開催になるんじゃないかと言われてる。
そういう意味でもABは優勝したいんだよな。

さて、旅程はと言うと、関空経由でAucklandに入ってそのままNapierへ。ついたその日に FRA-CAN を見て2泊。Aucklandに帰って3泊。Wellingtonへ飛んで AUS-USA を見て1泊。Aucklandに帰って NZ-FRA を見て1泊。で帰国でした。ラグビーが目的なので北島のみ。Auckland 滞在中も先方のNZ人友人の歓待などもあってあまり遠出はしなかったので Napier 以外ではあんまり大自然系は楽しめなかったな。またのお楽しみ。

各地ともお祭り騒ぎ、特にAucklandは車に小さな旗を付けて走ってるのが一杯いて、NZやABの旗が多いんだけど、SamoaやTonga、Fiji もあったなぁ。キャンピングカーも沢山見た。でも治安が悪い感じはなかったし、FIFAの日韓の時みたいにカオスな渋谷みたいなことも起こらなかったな。
街は喫煙者が多い。と思ったけど東京帰ってきて歩いてみたらあんまり変わらないかな。ちょっとAucklandの方が多いかな。後、SushiブームということでそこかしこにSushi屋がある。スーパーはビールとワインが充実でUS西海岸っぽいな。蒸留酒はあんまり無い。生きたムール貝を普通に売ってるのが印象的。

ご飯はシーフード中心に美味しかった。Crayfish ってザリガニだと思ったらロブスターぐらいでかくて、でもザリガニらしい。イタリアンっぽい店が多かったけど、どこも総じて量が多いんだよな。でも美味かった。
人も親切な人が多いイメージ。宿の人、タクシーの運ちゃん、空港の職員、店の人、ほぼ全員感じよかった。JetStar の太ったオバチャン地上職員と帰りの空港のショップの兄ちゃんだけが横柄というかやる気無いというかそんな感じだったけど。ただ英語の発音が癖がある気がする。元々英語ちゃんと聞けないからわかんないけど。

後はなんだろなー、飲酒運転オッケーぐらいがインパクトあったかなー。

まぁ何せ良いところでしたよ。英語ペラペラなら住めると思うぐらい。問題は飛行機で10時間以上ってとこだけだなぁ。

皇成元師匠・河野師、暴力団に1000万円

競馬の調教師の河野師が暴力団関係者に1000万円貸した挙げ句、詐欺で1000万取られて、さらにその関係を問題視されて調教師免許を取り消されたそうな。踏んだり蹴ったり。

先日の芸能人の件といい、色々厳しくなってきているなー、なんて思ってたら今日送ってきた契約書に覚書が同封されていた。
「反社会的勢力排除に関する覚書」と題されたA4ペラだけど、「おたくの役員とかに暴力団員いないよね」「おたくは暴力団利用しないよね」みたいな覚書だ。違反したら損害賠償無しに契約を解除できるよ、と。

で、暴力団の定義のところに「特殊知能暴力集団」っつーのがあった。なんか X-MEN みたいな感じだけど、暴力団と力や資金力で結びついてビジネス的にお金巻き上げる人達のことなんだとか。良く分からん。
あと、「社会運動標榜ゴロ」とも書いてあったんだけど「ゴロ」って正式な用語なのね。「ゴロツキ」の略みたいだけど。こっちは語感からして今流行の県庁に殴り込んだりする人達かと思ったら、政治団体として登録されていないと該当しないみたいだ。

ただ、こないだ聞いた話だと社員も自分の会社のオーナーが暴力団だったことを知らなかった、なんてこともあるみたいだから、気をつけても難しいなぁ。外見はカタギの会社だったらしいし。

無事にNZから帰国しております。

帰国便はオークランドを0930に出る便なので、7時過ぎには空港にいなければならない。レセプションで聞くと、時刻に寄るけど朝は空港まで1時間は見ておいた方がいい、と。となると朝6時にホテル出なきゃ。ひぃ。

と思って部屋に入るとこんな紙が置いてあった。

いわゆるサマータイムが明日から始まるから時計合わせてね、ってね。

ちょっと待て。

えーと、どっちにずれるんだ。これから夏になるってことは1時間早くなるのかな。するってーと、6時に宿を出るってのは5時に宿を出ることになるのかな。不安だからレセプションのニーチャンに拙い英語で聞こうと思ったんだけど日本語でもややこしいのでもう大変だった。「今の時間は明日だったら16時になるのか?」みたいな。


結局 Eden Park のゲームを見た後歩いて帰ったのが23時過ぎ。シャワー浴びたりして4時間ほどの睡眠で起きて荷造りして5時にフロントへ。誰も居ないので内線で呼び出すと、小太りで小さめの何とも名脇役みたいなオッチャンが出てきた。「こんな時間にチェックアウトするのか?」とか言いながら。

「昨日のAll Blacks のゲームを見たのか?」と聞くから Yes と答えると「俺はラグビーは好きじゃ無い」と言う。「リーグラグビー(13人制ラグビー)を見たことあるか? あれはもっと速くて激しくて面白い」と。これを2回言った。チェックアウトしてタクシーを呼んでもらってタクシーを待つ間にも色々話をしてくれたというか、こっちの質問を挟ませないっつーかこっちの言うこと聞いてないね。「昔リーグラグビーやってたんだ。ほら(と、両手の甲の親指の付け根がフラットになってるのを見せて)骨折したんだ。他にも37カ所骨折した(肩やら肋骨やら指しながら)」「今の奴らは年に20万ドル稼ぐけど、俺の時はプロが始まるかどうかって頃で、1日試合に出て2ドルしかもらえなかった」などなど。

急に「昨日の試合見たんなら Sony Bill Williams 知ってるだろ」と言うので「もちろん」と答えると、「奴は俺の友達なんだ」と言い出す。聞くと SBW のお爺さんと彼はリーグのチームメイトだったんだと。SBW も地元のリーグチームに入っていたそうで、10歳か11歳の頃に同年代の子と一緒に走らせたらまるで勝負にならなかったと言っていた。ホントかどうか知らぬ。
「昨日もトライ決めたよ」と言うと、少し顔を顰めながら「あんなのは簡単だ。ボールもらって少し前に走ったらトライじゃないか」と。何だよオヤジ、好きじゃ無いとか言いながらちゃんと試合見てたんじゃねーかよ。

その他、タイレストランで嫁さんとどうたら、とかいう笑い話(?)をしてくれたりしたんだけど、ラグビー以外の話だと全くヒアリング出来なくなるオイラの貧弱脳味噌のせいで何だか良く分からなかったけどとりあえず合わせて笑ってるところにタクシー到着。

タクシーに乗ると他でもそうだったんだけど FAQ として「ワールドカップ見に来たのか?」「日本の試合見に来たのか?」と聞かれる。2つめの質問に No ってのがやっぱり変らしくて少し意外な顔をされるんだよな。そりゃそうだよなぁ、日韓ワールドカップにスペイン人が来てスペインの試合見ないって言ったら変だよなぁ、と思うけど。

で、まだ暗い道を40分ほど走って空港に着いたのでした。

今回は一部仕事先に海外逃亡を告げていないので PC を持ってきている。ので、旅先でも普通にブログ更新出来るぜぃ、と思っていたら E-P2 で撮った写真を取り込めないことに気がついた。MacBook Air は薄すぎて SDカードスロット無いのな。

ので写真の不要っつーか撮ってないひこーきの話でも。

今回、結構急にNZ行きを決めた。諸事情によりチケットが手に入ることになったもんで。でもって旅程を組んでチケット抑えようとしたら残席5とかそんな世界だった。抑えたのは Air NewZealand で JAL とコードシェアだけど、ANZ はスターアライアンスメンバーなのでJALコードシェアなのにANAのマイルが貯まるという一昔前だと不思議な感じだ。
ちなみに ANZ はオーストラリア・ニュージーランド銀行のことでもあるけど全く別会社。こちらも Super15 や今回のRWCのスポンサーである。

で、予約したのは直行便だったのだけど、予約後に「すんません、関空経由になるんやけどええかな?あかんかったらゆーてくれたら全額返金するで」とのメールが。そんなこと言われても他に手段がないので仕方が無い。乗ってから分かったんだけど、AKL→NRT→KIX→AKL という便だったようだ。
関空ではオークランドから関空着の人を降ろしてから、オイラ達NRTから乗った人も全部手荷物ごと外に出されて1時間ちょっとしてから再度搭乗するという流れだった。

ANZ 素晴らしかったです。767 なんだけど、エコノミーの全席にディスプレイ付き、VODやGameが出来る。ってそんなん他でもあるがな、と思うかもしれないけど VOD の内容が素晴らしくて、2010 の TriNations の全試合、これまでのRWCの Final のダイジェスト等々ラグビーチャンネルが充実ですよ。その他 hot drink をサーブするときのカップは全て背番号と選手名とスペック、写真が入ってたり(オイラは06のカイノだった)。
後、離陸前の非常口案内とかのビデオが All Blacks 出演バージョンです。

そんなこんな、ラグビー好きには堪らないけど そうじゃない人にはなんのこっちゃ分からないサービスがてんこ盛り。

NRT→AKLで14時間ほど、KIXでの途中下車を考えると実質12時間ほどかしら、春先のオークランドはひんやりとして風が強いところでした。入国は持ち物、特に植物関連が厳しいとは聞いていたのだけど、USみたいにいい加減な質問(テロ行為に荷担したことがありますか?とか)じゃなくて、cooked or uncooked を問わず食品を持ってるか、最近牧場に行ったことがあるか、等々入国カードに書かされる。伝染病や生態系を壊す物に神経質なようだ。
嘘をつくと罰金3万円ぐらい、というので、食品持ってるってとこにはチェックして、通関で粉末スープ見せたら「ああ、それはOK」って軽く通してくれた。搭乗員曰く持ってないことにして見つかると面倒なんだと。
後、オイラの耳が悪いのかもしれないけど、入国で「らくびー?」って聞かれて聞き直したけど、やっぱり「らくびー?」と言われた。ラグビーって濁らないのかしら。何の試合見るんだ?とか聞かれて簡単に終了。

ま、そんな感じで Domestic Terminal に移動して Cafe で Fish&Chips とビール。モニターではオイラのフライト中に行われた AUS-IRL をやってて良い試合だったんだけど、緑色のアイルランド人がニタニタしてて、でかいオージーがため息混じりに愚痴ってたので直ぐに結果が分かってしまった。その他、Springboks のジャージやフランスのベレー帽などに囲まれて観戦するのもRWC期間中の空港ならではなんだろう。試合を見終わってしばらくして搭乗時間になったので移動したのでした。

序盤にレフェリーとかみ合わずFWがファウルを取られまくり、SH田中の動きも鈍く(密集にHO堀江の方が先に来て捌くシーンが何度か見受けられた)、WTB遠藤は致命的なミスを4つ、CTBニコラスも抜けきらない、SOアレジのプレースキックはことごとく外れる、そんな内容では厳しい。
個々のプレーヤーがどうこうというより、やっぱまだJapanはこのレベルなのかなぁ。もちろん、フランス戦を捨てていればもう少しいい結果になったのかもしれないけど、それでは寂しすぎる。

トンガは見ていて反則だと思うプレーがいくつかあったけどレフェリーは取らなかったし、それが基準なんだろう。最後の方でシンビンを連発していたけど時既に遅し。BKは精度が低かったけどFWの集散は素晴らしかった。少々ラフだったとしてもあのスピードとパワーは凄い。

オイラは Auckland の海沿い、Queens Wharf というところにある FAN ZONE の Public Viewing で見ていたのだけど、NZのサラリーマンがスーツにネクタイのまま見に来ていてビール片手に盛り上がっていた。ABだけじゃなくて、本当にラグビー好きなんだなぁ。でもって日本が攻撃すると異様に盛り上がる。中には「John Kirwan は本当に良い選手だったよな!」なんて急に話しかけてくるKiwiがいたり。

ま、盛り上がったけどファンガレイまで見に行かなくてよかったかな、という内容でした。カナダ戦は前回も因縁の引き分けだった試合。ラスト1試合は良い試合して欲しいですな。

嘘です。

Kia Ora!

これで旅の在庫一掃。


甲州街道歩きの後、下諏訪に1泊したのは前述の通り。

宿は諏訪大社の下社秋宮の中にあったので、8時半前にチェックアウトしてまずは秋宮へ行ってみる。

諏訪大社は上社と下社に分かれ、それぞれが又2つの宮に分かれて4つで1つの神社を形作るというゴッドマーズ的な構成になっている。それも、1つの伽藍の中にいくつもの塔頭が、みたいな感じではなくて、すんごい離れてるの。起源は分からないぐらい古いという。信濃国一之宮。

一応、神話的には国譲りの際に、そんなの納得いかーん、と言ったオオクニヌシの息子のタケミナカタがアマテラス系のタケミカヅチと戦って瞬殺されそうになって出雲から諏訪まで逃げてきて「もう、もう諏訪から出ないから許してお願い」と命乞いして住むことになったんだとか。この戦いが相撲の起源なんだそうで。タケミカヅチさんは以前行った鹿島に祀られてる。
タケミナカタもすんなり諏訪に入れた訳では無くて土着の神と戦ったとか戦ってないとか、何せ諏訪にすみついて、ヤサカトメっていう地元の奥さんもらって大人しくしてたんだけど、そのうち奥さんが別居すると言い出して下諏訪の方に行っちゃったんだそうで。これが下社なんだと。泣ける。

ってことで下社からスタート。下社は春と秋で奥さんの住居が違うので、春宮と秋宮の2つがあります。春から秋に移るときには船で移動する祭りがあるらしい。

幣拝殿というらしい。中々の造り。と、ぼんやり見ていたら、

ああ、右ににょきっと突っ立ってるのが御柱ですか。

普段は立ててあるんだ。一説によるとタケミナカタを諏訪に閉じ込めておくための結界だとか。後で知ったんだけど御柱は4本で1組らしい。これは一の柱。左に二の柱。奥に三と四があるそうな。

神楽殿は工事中ということで綺麗な写真が貼り付けてありました。モヤさま的展開。

下諏訪は温泉でも有名で、御神水ならぬ御神湯が出ていて湯気を立てている。

そんなところで秋宮終了。少し北西側にある春宮を目指す。

3分ほど歩くと中山道下諏訪宿の本陣跡。入場料払って見学できるらしい。甲州街道沿いにお金払って入るとこってあったっけ?

この日も良い天気。そして秋桜の写真を撮りたくなる。

ゆっくり歩いて秋宮から20分ほどで春宮到着。

諏訪大社はどこに行っても銘酒押し。下諏訪の街には御湖鶴の幟が多かったな。

春宮は秋宮とほぼ同じ造りで、秋宮よりフラットかつ少し狭い気がしました。神楽殿の注連縄は出雲大社そっくり。オオクニヌシ繋がりなのか。右手奥には御柱。

ささっと見て木陰で少し涼んで下諏訪の駅へ。やはり歩いて20分ぐらい。
ここからスワンバスなるバスで上諏訪へ移動しようと思っていたのだけど、少し早く着きすぎた。駅の時刻表を見ると7分ほどで各駅停車が来るようだ。じゃ、乗っちゃおう。
やってきた電車は扉を手で開けるタイプ。これまたボタンじゃ無くて引き戸を物理的に開けるの。やってみたら案外軽く開いた。次の駅が上諏訪駅。電車で4分だ。

駅前は下諏訪と比べものにならないぐらい栄えている。もう大都会ですよ(下諏訪比)。
駅前から「かりんちゃんバス」という何とも可愛らしい名称の、ってか声に出すのが小っ恥ずかしいバスで上社を目指すのだけど、それまで1時間弱時間がある。

上諏訪には高島城という水城があるそうだが、前日に素通りした宮坂醸造も気になる。小一時間であれば、真澄へ行って、ショップが下らなければそのまま高島城を回って駅に戻れば丁度良さそうだ、と思い、まずは駅前の通りを東へ向かう。と、

舞姫(舞姫酒造)

麗人(麗人酒造)

横笛(伊東酒造)

本金(本金酒造)

と酒蔵が並ぶ。もしかしたら見落としてるのもあるかも。甲州街道はこちらの通りではなく北側を通っていたのだけど、何かこっちの方が栄えてる気がするのだ。後から栄えたのかな。
ちなみに舞姫は更正法適用を申請の後自主再建、麗人は今年に入って会社更生法適用になってるんだそうで、日本酒蔵は辛いね。

で、最後の最後が真澄でした。入って左手にショップ。300円払うと試飲が出来る。試飲用の盃を渡されて、これは返却するが、別にお土産としてガラスの猪口を頂ける。オネーサンが都合6種類ぐらい、果実酒等も含めれば10種類ぐらい試飲させてくれたかな。真澄というと辛口のイメージだが、山廃を2年熟成させたという「二夏越し」という商品が面白かった。常温で飲むと独特の酸味が強くて不思議な味なのだけど、燗をすると酸が引っ込んで美味い。
聞くとこちらでは普通のひやおろしは出していないそうだ。かなり昔に出したのだけど、当時の酒屋は保存状態の悪いところが多くて、却って真澄の評判を落としたことがあるらしく、それ以来やめているのだとか。

隣のショップがダンプ衝突から1年以上経っても建たないことを聞くと、随分古い建物だったので何とかして修繕出来ないかと探ったけど無理という結論になり、取り壊したら今度は古い水路の跡が出てきたりして、中々すぐに建てるということが出来なかったそうだ。今のショップは事務所を改装した仮の物と言うが、中々に綺麗なところでした。周りの企業との所謂コラボ商品や、その他酒関連のグッズをそろえたセレクトショップ的な側面も強い。
これから歩かなければならないので、酒瓶はやめて、ちょろっとしたグッズを買って失礼しました。素敵なオネーサン2人でご対応頂いて良い感じ。高島城は捨てです。舞姫もショップありそうで気になったんだけどな。

蔵元ショップ Cella MASUMI - セラ真澄 (長野県諏訪市)

駅前に戻って(厳密には駅からバス停まで2分程度の距離)かりんちゃんバスに乗る。観光用ではなく地域を巡回する地域住民のバスのようで病院を回ったりして50分ほどで上社前。少し歩いて参道。

折しも観光バスからオッチャンオバチャンが吐き出されてきたところで、もうすんごい観光地の雰囲気。下社の静けさはどこへやら。

上社本宮。中学の修学旅行で来た筈だよなぁ。バスガイドが御神渡りの説明とかしてた気がする。何も覚えてないけど。

何せ人が多い。でもって、神社でガキをバタバタ走らせて平気な親は何なんだろ。何もわざわざ神社に連れてこなきゃいいじゃないか。

何故か参道から見て左側にずれて存在する本殿を見てさっさと退散。思ったより広くなかった。

この時点で12時前。参道辺りで食事でもしようかと思っていたけど、この人出では店を探す気にすらなれない。東進することにする。

ちょっと行ったところで見つけた北斗神社なる神社。写真じゃ伝わらないな。なんかぼろっちい石段が200段ほど続いている。もちろん登りませんでしたよ。これ結構遠くから見え始めるんだよな。山の中にまっすぐ立ち上る階段。中々のインパクトです。

相変わらずの秋桜。

30分ほど歩いて上社前宮。他の3つに比べて随分シンプル。

でもやっぱ御柱はあるよ。これは左側の手前と奥。

この辺りの摂社などでも御柱を立てているところが多かった。元はと言うとこの辺の風習なんだろうなぁ。

元々はここが諏訪大社の大本で、現人神である諏訪氏の大祝もここに住んでいたと言う。その意味で「神殿遺跡」という表札もあった。すごいっすね。源氏とか平氏とかじゃなくて、先祖はタケミナカタですよ。
そんな現人神の諏訪氏も武田信玄にぶっ潰されて武田勝頼が諏訪氏を継ぐんですが(勝頼のオカンは諏訪氏)、勝頼も敢えなく死んでしまって、家康の時代にやっと再興して諏訪の高島藩を治めることになったんだとか。

ちなみに前宮は諏訪市を出て既に茅野市になります。ホントにカバーエリアが広い。今でも諏訪大社の摂社だけで100を数えるんだとか。

これで4つとも制覇したので歩いて茅野駅へ。上川の川面を疾る風が気持ちいい。この日は少し風が強かった。これ諏訪湖に注ぐので西へ流れてるのね。何か不思議な気分。

茅野駅でオフィスに土産を、と思ったが茅野土産ってないのな。で、諏訪土産ってのも見当たらず、ざっくり「長野土産」を売ってるんです。野沢菜とか善光寺の七味とか全然場所ちゃうやんけ、みたいな。長野は広いんだからさぁ。
で、どいつもこいつも冴えないので「雷鳥の里」買って帰りました。大町銘菓ですよ。あれ評判良いから。

ホームで地ビールとプリッツで昼飯。20分ほど時間を潰してスーパーあずさで帰りました。ちなみに右手に見えるガラス張りの建物は茅野市民館だそうです。立派。

まとめると、まぁ一度行けばいいかな。そんな感じ。

富山駅前のビジネスホテルで起床。富山駅も新幹線の絡みで再開発なのかな。

旅行前、行きつけで富山に行く話をしていたら、たまたまカウンターに2人富山人が居て鱒寿司のオススメを教えてくれた。一人は高田屋、もう一人は前留を推す。バーテンダーに「お土産に買ってきてよ」と言われたので買い出しに行かねばなるまい。

鱒の寿司は丸の内の近くに数店舗集まっているらしい。高田屋は結構メジャーらしいので前留を狙う。鱒寿司屋は朝早いらしく、8時過ぎに電話で一応予約をしてから向かった。一重と二重があるが、スタンダードな一重を2つ。

富山は路面電車が頻繁に走るが形式は色々。結構格好良いのもあった。10分ほどで前留に着いて、少し耳の遠そうな店主から寿司を買う。帰り道に美味そうな蒲鉾屋があったので昆布巻きの蒲鉾を購う。

ホテルに戻って荷物を預け、昨日も通過した高岡へ。行ったり来たりしてるのは諸々のスケジュールによる。

高岡駅10時過ぎ。なるほど昨日新装開店しただけあって綺麗だ。綺麗過ぎてがらんとして何も無い感じ。

駅の南側へ出て10分弱歩くと八丁道と呼ばれる参道に当たる。右折して進む。

すぐに瑞龍寺。入場料を払って入る。

総門の中に立派な山門。後で知ったが国宝らしい。贅沢なスペースの使い方だ。


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山門をくぐると鮮やかな緑の芝生。取り囲む回廊の中に仏殿。鈍い色を放つ瓦は鉛製だという。
一説には一国一城令で高岡城を廃するときにいざという時の備えとして瑞龍寺を考えたとか。広尾の祥雲寺の造りを黒田家が複雑にしたのと同じか。信長や、秀吉・秀頼を見てきた大名達は江戸時代の初期には平和が続くことなど信じていなかったのだろうな。

裏手から総門を。シンメトリーでシンプルで本当に綺麗。もう少し雲が少なければ素晴らしいところだ。非常に気に入った。

一番奥の法堂も国宝。全て安定感があります。

回廊の中もぐるりと見学することが出来る。なんだかポルトの教会やアンコールの寺院を思わせる造りだ。

それほど広い伽藍ではないけれども、ゆったりとしていて落ち着く。もう少し見ていたいが貧乏性スケジュールなので切り上げて出る。八丁道にあった逆方向に「前田利長墓所」とあったのが気になるのだ。

ということで八丁道の名の通り、800mというか900m弱を直進して戻る。

これまた立派な墓で、鳥居の中に濠、天皇陵のような柵の中に10m以上の墓碑がある。今は随分敷地が削られているが、昔は1万坪あって外濠もあったそうな。これまたいざという時の備えか。

で、墓も立派なんだけど、何より目を引くのが1つだけ異様にでかい灯籠。手前の標準サイズの奴と比べると大きさが分かると思う。

ちなみに前田利長は2代目藩主で野田山にもお墓あったね。分骨なのか記念碑的なものなのかは知らぬ。

再び高岡駅から富山駅に戻る。岩瀬という港町に行ってみたい。ライトレールってので行けるらしいのだけど

所謂路面電車でした。しかし新しいらしい。元は国鉄→JRの富山港線だったものを第三セクターとして路面電車にしたそうで、2006年からなんだそうな。

東岩瀬まで20分ほど。随分冷房の効いた車両でのんびりと行く。

地図を頼りに歩くこと5分ほど。

満寿泉の蔵。思っていたより随分と大きい。昔ながらの煙突が残っている(煙突の残っている蔵は珍しいかも)。この奥を左手に曲がるとメインストリート。

綺麗なショップ。聞くところによると満寿泉の社長さんは町おこしの為の会社を作って社長となり、空き家を買い取ってリフォームして入居者を募るなどして景観の美化と街の再興を行っているそうな。

ショップに入ったら東京から来たらしい家族連れが。店員がいないというので困っている。んじゃ、ちょっとその辺り見てからまた戻ってくるかと外に出て写真を撮っていたら、店の人が来たと。
入って、先客の家族連れの買い物を待つ。何だか少々知ったかぶり気味の父ちゃんがズレた事を聞くのをほんの少し面倒そうに受け流す店のオッチャン。買って出ていった後でオイラたちのターン。

並んでいる酒は6種か8種かそれぐらいだったと思う。曰く「東京なら渋谷の東急の地下(Foodshowだと思う)が一番揃いますよ」と。「酔」と「通」という見慣れないラベルがあるので聞いてみる。
「通っていうのは本醸ですか?」「いやこれはね、本醸と吟醸のブレンドでね、そこにある料亭さんにね『魚に合うお酒を造ってくれ』って言われて造った酒なんですよ。もう何年前になるかな。通には分かる酒ってね」と笑う。そう言われては買わずにいられない。四合瓶を1本買って店を出る。後でラベルを見たら純米だったと思う。随分いい加減だ。

13時を過ぎたのでそろそろ食事をしたい。海を見ながら飲める場所は無いかと富山湾へ向かったが、中古車の積み込みを行っているようなところで落ち着いて座れる場所は無さそうだ。そのまま北上して運河に出る。屋根のあるベンチがあった。ここなら良さそうだ。

全く人が通らない。静かだ。かすかな波音とカモメの声のみ。

朝買った鱒の寿司、2つの内1つは土産、1つは昼飯だ。前留の寿司は開けると鱒が底になっているタイプ。こうすることで酢が抜けるのを防ぎ、鱒に馴染むのだとか何だとか。前留に限らず、鱒の寿司には2タイプあるんだそうだ。付属のプラスチックのナイフで切って、先ほど買った酒で頂く。ついでに朝買った蒲鉾も食べちゃえ。

1時間ほどで完食。酒も寿司も無くなった。最初は多いかと思ったけど、この寿司は良く押してあるので非常に薄く、あっさりとしていて1人1枚でも食べられそうな気がした。まぁ、ご飯の密度を考えるとカロリー過多だろうけど。腹ごなしにゆっくりとメインストリートの方へ戻る。

無造作に干された白エビ。雑だ。あんなに美味いものを何てことするの。

元々岩瀬は北前船の港として非常に栄えたそうな。加賀から上方に米を運ぶには普通に考えれば陸路が良さそうだが、そうすると幾つかの藩を抜け、そこに通行税を落とさなければならない。遠回りに見えても関門海峡を通って船で運んだ方が効率が良かったんだそうな。

上の建物は廻船問屋森家の邸宅。名前からして悪そうなので、おそらく悪代官とつるんで格さんにフルボッコにされたに違いない。200円ほどの見学料で入れる。

で、他の建物も先述の街おこしの会社が行っているんだろうけど、昔のスタイルになっている。これは北陸銀行の建物だけど、他にも商社や医者などが昔ながらの町並みに馴染むようなデザインで営業している。

正直、まだ観光地として人を集めるには弱いかもしれないけど、こういった街おこしは面白そうだな、と思わせる。雑に特産品売るとか祭りやるとかだけじゃなくてね、しっかり街自体から変えていくってのが。

再び東岩瀬からライトレールで富山駅へ。ホテルで荷物を受け取って空港行きのバスに乗り羽田へ向かいました。

富山空港の土産売り場にも鱒の寿司コーナーがあって、各店舗のが並んでました。夕方だったので高田屋なんかは売り切れてたけど。前留は無かったな。

日数の割に充実してたなぁ。初日の丸岡城以外は全て行きたいところに行けたし。その分つかれたけど、お腹いっぱいです。

今度行くとしたら金沢をじっくり見て回りたい。後は能登半島かしら。

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